アップルの新たなランドマーク、世界第2の直営店が上海で開業へ
アップルは3月21日に上海市で8つ目となる直営店、「Apple静安店」をオープンする予定だ。世界で2番目に大きな店舗といわれ、中国市場におけるアップルの戦略的な取り組みの一環とされている。中国国内での競争が激化し、市場シェア減少という事態に直面するなか、ブランド力と影響力の向上を通して新たな成長機会をうかがう。
上海静安に新たなランドマーク
3月21日に開業が予定されているアップル静安店は、その卓越したデザインと戦略的な立地で注目を集めている。静安寺の向かいに位置し、広大な面積を誇るこの店舗は、アップルが中国市場におけるブランドイメージをさらに深化させ、顧客体験を向上させるための重要な拠点となる。直営店では、地元の人々や観光客に新しい集まりの場を設け、アップル製品と技術の魅力を直接体験する機会を提供していくものと見られる。
中国市場でアップルは厳しい競争に直面している。とくにiPhoneの販売台数が減少傾向にあり、香港の調査会社カウンターポイント・マーケット・リサーチ(Counterpoint Market Research)の公開データによれば市場占有率も2023年の19%から16%へと低下している。しかし、アップルは中国市場のポテンシャルを高く評価しており、直営店の拡大や製品の価格戦略の見直し、研究開発施設の増設など、積極的な取り組みを進めている。
ライバルとの競争激化
アップルの最大の競争相手であるファーウェイ(Huawei)は、市場占有率を2023年の9%から17%へと大幅に向上させている。積極的に旗艦店の開設を進め、ブランドの可視性を高めることで消費者体験の向上に取り組む。これに対抗するために、アップルは革新的な製品開発と優れた顧客サービスを通じてプレゼンスを維持していくねらいだ。
競争が激化する市場環境の中でも、アップルはブランド力と技術革新を武器に、さらなる成長と成功を目指している。中国市場におけるアップルの未来は、これからの戦略的な取り組みと市場動向によって大きく左右されることになる。上海静安店の開業がもたらす反響と影響がいかほどのものになるのか注目に値する。(編集:耕雲)
21日の開業を伝える告知。上海市の市花である白玉蘭をあしらったデザインがお目見え 出所:アップルのウェブサイト